月別アーカイブ: 5月 2017

できるなら金属を入れたくない!

こんにちは
多田歯科クリニック院長の多田です。

歯科クリニック開業後、早10年の月日が流れようとしています。
開業した日が2007年7月25日でしたので、もう二ヶ月後にはその時が訪れようとしています。
私が診療をしていく中で、本来やりたくないことがあります。
それは患者さんのお口の中に金属を入れるという仕事です。
海外の歯科医が日本人の口の中のレントゲン写真を見ると愕然とすることがあるといいます。なぜなら、日本人の口の中にはたくさんの金属での治療痕がみられるからです。
本来、根管治療(歯の神経をとって消毒し、最終的にゴムのような素材でパッキングする処置)は専門医によってかなり高額なチャージ(アメリカでは10万円以上)で行われるものですから、一般人が簡単に受けられる治療ではないのですが、幸か不幸か、日本では健康保険制度のおかげで、当たり前に受けることができます。
そして、歯は金属のかぶせで覆われて、口を開けると銀歯だらけといった典型的な日本人の出来上がりなのです。
金属のかぶせが入っているということは、金属アレルギーのリスクというのが常につきまといますし、歯茎の色が黒くなるのも、歯茎の中のメラノサイトという細胞が金属のイオンを取り込むために起こることと言われています(メタルタトゥー)
爽やかな笑顔が銀色のかぶせ物によって台無しになる瞬間になんども遭遇しますし、このような状態に慣れっこになっているのも、国際社会の中で大変な問題だと思っています。
当院ではCERECというシステムを使って、金属のかぶせを白い物に置き換える治療も随時行なっています。これは高精度のデジタルスキャナで削った歯を撮影し、CAD/CAMマシーンでセラミックを削り出し、その日のうちに治療が済んでしまうという画期的な治療法です。こちらの治療法の利点については後日またご紹介しますので、そちらもお読みいただければと思います。

また、当院にいらっしゃっている患者さんでしたら、お気軽にご相談ください。

 

投稿日 | カテゴリー: クリニックからのオススメ |

虫歯は歯医者に治せない!

みなさんこんにちは

久しぶりのブログ投稿となります。
5月も半ばへと差し掛かりますが、これから一ヶ月をブログ強化月間と位置付けたいと思います。

さて、タイトルでいきなり書いてしまいましたが「歯医者で虫歯は治らない」
これは事実です。
虫歯が治せるのは本人だけなのです。
虫歯というのは「う蝕」とも呼ばれますが、
これはご存知の人も多いとは思いますが、感染症です。
メジャーな虫歯菌であるミュータンス菌ってのが問題なんですよね。
さて、この菌がどのくらいいるかっていうのが虫歯になるかどうかの一つの目安となります。
どれくらいといっても、口の中には約10億とも言われる細菌が住んでいます。
これらを常在菌っていうんですね。
常在菌ってことは、普通に当たり前にそこに存在している菌ですから、普通の環境であれば、特に悪さをすることもない。
ただ、ある特定の菌が生活しやすいように偏った条件になると、いろいろ問題が起きるわけです。
虫歯菌であれば、口の中のpHが大きく関わってきますね。糖質が多い食事であれば、ミュータンス菌が喜んじゃうわけです。

そして、虫歯菌が酸を出して溶かした歯が虫歯ってわけなんですけど
虫歯の治療って、虫歯菌のは入り込んだ歯の部分を削り取って、他の物質で補填しちゃおうってことなので、
それは虫歯を治したというよりは、掃除して、穴を塞いだだけなんですよね。
実際、これだけだと、虫歯のリスクが下がったわけでもないんです。
口の中の環境・食習慣が変わっていないのであれば、また、どんどんと新しい虫歯を作るわけです。
ということで、歯医者で虫歯を治すってのはかなり無理のある話です。
いや、もちろん、虫歯にならない環境づくりの協力・アドバイスはさせていただきます。
実は、それこそが一番大事な歯科医の仕事なんですから!

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